＜アイドル誌チェック!!＞

「プラスアクト ミニ」18号（ワニブックス）の表紙と巻頭インタビューは、日本テレビ系ロンドンオリンピック中継のメーンキャスターを務める櫻井翔。夏季オリンピックのキャスターを務めるのは、2008年の北京オリンピックに続き2度目。報道番組『NEWS ZERO』（日本テレビ系）の月曜キャスターは06年10月から始めて6年目に入りました。もはや「キャスター櫻井翔」として充分なキャリアを持っていると言えますが、「どちらにしても……やっぱり、俺は“専門家”じゃないからさ。だから、報道キャスター、スポーツのキャスターっていう風にはくくっていなくて。“話を聞く人”っていうことなのかなと思っていて」と語ります。

北京オリンピック取材は「崖っぷちだった」と振り返る櫻井。当時「北京で何か食べに行った？」とよく聞かれたとのことですが、「あぁ～そんなの全然考えてなかったわって。会場行って、メディアセンター行って、ホテル帰って、整理して……ということしか、考えてなかったなと思って。必死にそれを繰り返した感じ」とのこと。もしかしたら視聴者の中には、アイドルがわけもわからず現地に乗り込んでいるのでは、と思う人もいるかもしれませんが、カメラが回っていないところでの努力は一般人の想像をはるかに超えています。プレッシャーも相当なものでしょう。たかがアイドル、されどアイドル。彼らはアイドルだからこそ人一倍努力しているんですね。だからこそ結果も出している。櫻井は日本代表選手の本音を聞き出すことができる名インタビュアーとして、高い評価を得ているのです。それでも櫻井は「本業ではない」ということを強調します。

「やっぱり俺は素人だから、スポーツ記者の方、ディレクターの方、その“プロ”が何年もやってきている中で……ビギナーズラックじゃないけど、素人だから聞けることっていうのがきっとあって」
「一貫してるけど、やっぱりそこは“本業じゃないから”っていう……なんて言うのかなぁ？　土足であがってるからこその礼儀、みたいなところがあるからさ」

本業でないからこその強みを自覚しているんですね。自分の立ち位置をとても冷静に見ていることがうかがえます。また、30歳という年齢については、下記のように語っていました。

「不思議なもので、30歳になったのは……大きいんだよなぁ。ちゃんと、もう一回向き合い直そうっていうか。僕らの仕事っていうのも、当たり前じゃなかったりするから。来週またあの席に座れてるかわからないし、来週の土曜22時に『（嵐に）しやがれ』やってるかわからないし……だからちゃんと1個1個、見直さないとなぁって思ったから。年齢って、俺は結構大きかったな」

国民的アイドルでありながらこの謙虚さには驚かされるばかりです。ほかにもオリンピック取材の舞台裏が語られており、このインタビューを読めば、中継が何倍も楽しめるのでぜひチェックを。また、今号には、櫻井と同様キャスターとして活躍している小山慶一郎の1万2000字インタビューも掲載されています。昨年、山下智久と錦戸亮がNEWSを脱退することが決定し、NEWSとしての活動が「白紙」になったという小山。

「今までは全部、話を頂いていたけど、今はシングル出させて下さい、アルバム出させて下さい、ツアーやらせて下さいっていう状況になってるから。当たり前のことが当たり前じゃなくなってるグループになった訳ですよ。そうするとやっぱり本当に4人の意思を固めなきゃならない」
「マジできつかった……どん底でしたね。ジャニーズ事務所人生としてもそうだけど、ひとりの小山慶一郎としても……やっぱりどん底だった。というのは、改めて俺はNEWSに頼ってたんだなって気づきましたよね。（中略）それがなくなるかもってなった瞬間に、自分の存在価値がわからなくなったというか。俺は誰に必要とされてるのかな？　って思うと……本当に怖かった」

脱退発表前日には、キャスターを務める『news every.』（日本テレビ系）のプロデューサーに会って「NEWSがどうなるかわからないです。それでも僕は『～every.』に出続けていいですか？」と聞いたそうです。小山がどれほど苦しんだか、当時の話は涙なくしては読めません。いつも輝いていてこそアイドル、ファンの歓声を受けてこそアイドル。そんな過酷な職業を選んだ彼が、どん底からいかに這い上がり希望を見いだしたか。NEWSの中ではどちらかというと目立たない存在だった小山ですが、この危機を乗り越えたことで大きな力と輝きを得たように思われます。小山に限らず、ジャニーズアイドルを愛するみなさんにぜひ読んでいただきたい充実したインタビューとなっています。