内博貴主演のミュージカル『デュエット』が28日、東京・日比谷のシアタークリエで初日を迎えた。ブロードウェイで愛されるロマンチックコメディのリメイクである今作は、内と元タカラジェンヌの和音美桜による2人芝居で、演出は少年隊の錦織一清。内演じる人気作曲家と和音演じる新人女性作詞家が共同作業を行ううちに次第に恋に落ちるというストーリー。

2人芝居とあって、膨大なセリフを覚えるのに内は「大変だった」と苦労したことを明かした。錦織は「内は口パクですから」と、得意のジョークで報道陣を笑わせた。内は、錦織に「通し稽古をするたびによくなっていった」と褒められ、うれしそうに。東京公演は10月10日までで、10月は大阪、名古屋、福岡を回る。ネットの上のファンレポには、「かわいい内博貴も、かっこいい内博貴も見れます。歌のレベルもかなり上がってます。」と、絶賛の声も上がっている。

今は俳優の道をまい進すべく舞台で活躍しているが、内といえば、かつては未成年飲酒の不祥事により関ジャニ∞を脱退したイメージが強かった。未だに関ジャニ∞の内を未練に思い、復帰を求める根強いファンもいる。そんなファンの気持ちを知っている内はJr.内のバンドユニット「Question？」とともに行った昨年のコンサートで、「もう後ろを振り向きたくない」と、関ジャニ∞と決別宣言をし、自分がQuestion？とともに新たな道を歩み出したことへの理解をファンに求めていたのだった。

さて、「もう振り向きたくない」と宣言した内とは逆に、関ジャニ∞は8月に行われた8周年記念イベント『∞祭　ボクらも8っちゃい、8っちゃけまつり』で販売されたパンフレット「Dear Eighter」のなかで、メンバーは内について振り返っている。インタビュアーを大倉忠義と安田章大が務めたこともあり、みな赤裸々に語っているのが特徴だ。

錦戸亮は、内が謝罪するためにライブの稽古場に来たときに「しばいてしまった」といい、「内自身は男前でノリもよかったりさ、ええヤツやん。…とにかくいろんな感情全部まとめて、めっちゃ悔しかってん」。そのあと、内は復帰した舞台『PLAYZONE‘07　Change 2 Chance』を鑑賞し、途中から涙でみられなくなってしまったという。共にNEWSと関ジャニ∞をかけもちしていた錦戸ならではの思いがあったのだろう。

渋谷すばるは「アイツやりよったなって思ったけど、（中略）“グループにとってこれをマイナスにしたらアカン”って思った」。大倉忠義は「正直、最初オレは戻ってくると思ってたし、だから内の位置は空けたままにして、オレらは死ぬほど頑張らないとって」。村上信五も内が戻る可能性を考えて「“戻ってきやすい状況に持っていかないと”って思った」と語っている。その他、丸山隆平、安田章大も含めて内が復帰することを信じてモチベーションにつなげていたメンバーがいたことは確かだ。横山裕は「今は内もソロで頑張ってるわけやから…それはほんまによかったと思うよ」と横山なりにエールを送っている。メンバー自身がここまで生々しく語ったということは、グループとして乗り越えた“過去”であり、内との静かな決別を意味しているのかもしれない。

関ジャニ∞はデビュー8周年を迎え、現在、全国ツアー『KANJANI∞ LIVE TOUR!! 8EST』の真っ只中。30日は大阪公演が台風のため中止になってしまい残念だが、関ジャニ∞は続く全国ツアーを、内は今回の公演で、ファンを喜ばせてくれることだろう。メンバー、そして内自身も信じていたであろうグループ復帰。結局叶わなかったが、今はそれぞれが歩むべき道を歩んでいる。