＜ジャニタレドラマ・ネットの声＞

■『なるようになるさ。』（TBS系、毎週火曜夜10時～）初回視聴率9.4％（ビデオリサーチ調べ、関東地区）

昨年7月期に放送された、ホームドラマ『なるようになるさ。』。『渡る世間は鬼ばかり』（同）などで知られる脚本家・橋田壽賀子の新作で、主演には舘ひろし＆浅野温子といったベテランが名を連ねた大人向けのドラマとして、初回視聴率16.8％、平均視聴率12.6％という好成績を残しました。続編を望む声に応えた形で、4月22日に第2シーズンがスタート。ジャニーズからは第1シーズンに引き続き関ジャニ∞安田章大、そして今期からHey!Say!JUMP伊野尾慧がキャスティングされ、物語が進んでいく上でのキーマンなっていくようです。



第1シーズンに引き続き、舞台は長島彩（浅野）が自宅を改装して開いた、「カフェレストランあや」。住み込みで働いていた従業員たちはみな長島家を卒業し、いまは千葉恵理（紺野まひる）が通いで働くのみ。夫の大悟も仕事の合間を見つけては店を手伝っていました。そこへ、就職浪人中の中野香子（南沢奈央）、無銭飲食した分を仕事で返したいという老婦人・戸川たつ（渡辺美佐子）らが住み込みで働くことに。さらには、以前「あや」で働いていた大竹昇（安田章大）が後輩の奥村涼（伊野尾慧）を雇ってほしいと長島家を訪れます。料理も接客業も手慣れたたつの指導により、無愛想だった香子は改心して笑顔で働くようになるものの、涼はたつのアドバイスも聞く耳を持たず……。

「ワケあり家族の愛と奇跡のホームドラマ」というサブタイトル通り、一つ屋根の下に暮らす血のつながらない他人がどのように“家族”になっていくのかを丁寧に描く同作。登場人物は、就職難民や機能不全家族などといった社会問題を背負っています。その中で、第2シーズンの“問題児”になりそうなのが、伊野尾が演じる涼。大学卒業後も小説家になりたいと職につかずにプラプラしていたものの、2年間で1行も書いていないというダメっぷり。さらには、好きになった女のタイプだからと髪の毛を金髪にしたり、気怠い様子で「あや」での仕事を見下していたりと“残念”な男なのですが、発言の端々からとてつもなく自尊心が高いことがうかがえます。伊野尾自身も「涼は『自分はやればできる」みたいな物事を舐めてかかっているようなキャラクター」（「月刊TVnavi」2014年5月号、産経新聞出版）と分析していますが、インタビューやバラエティで適当な発言ばかりを繰り返すあまりに、“テキトーイケメン”という愛称で親しまれている伊野尾なので、意外とこの役には合っているのかも!?

ネットでは、涼が昇に連れられて長島家を初めて訪れた際に、手にファーストフード店のフライドポテトを持っていたことから、「ポテト」というあだ名が生まれ、「このポテトはポテト好き過ぎて髪色もポテト色にしてるっていう設定」とネットユーザーのオモチャに。さらには、普段は不貞腐れた態度の涼が、恵理の子どもと話しているときに満面の笑みを浮かべたことからロリコン認定され、最終的にはポテト好きなロリコンということで「ロリポテト」という不名誉なあだ名が定着していました。

橋田ドラマといえば台本10ページ以上の長いセリフを1カットで撮る長セリフが特長でもあり、見どころでもあります。初回でも、涼と香子が「あや」で働くことに対する不満を語り合う長セリフシーンがありました。これには伊野尾も苦労したようで、「長セリフは難しかったですね。だから安田くんに相談して『書いて覚えるといいよ』って教えてもらいましたが、実はあまり覚えられませんでした……（汗）」（「週刊TVガイド」4／25号、東京ニュース通信社）と漏らしています。初回の見せ場というべきこのシーンに関して、ネットでは、「この2人自分のこと客観的に見れすぎだろ なんでこんな落ちこぼれてんだよw」と役柄に関するもっともな意見もあれば、橋田ドラマ独特の演出のせいか、伊野尾のセリフ回しが「えなりに聞こえてきた」という声もあり、まだまだ伊野尾の演技力には改善の余地がありそうです。

人気作の続編ということで2時間スペシャルで放送された初回でしたが、視聴率は前シーズンから大きく落として、9.4％という厳しいスタートとなりました。そんな中でこの日ネットユーザーが一番盛り上がったのは、本編終了後に流れる「今週のパスタ」のコーナー。時間に制限があるためか、尋常じゃなくざっくりとしたレシピの説明に「これが本編！」「待ってました」と前作からのファンは拍手喝さい。ロリポテト、えなり風長セリフ、今週のパスタとネットユーザーに好かれる要素は多いだけに、一般視聴者の心をどうつかんでいくのか。ドラマの宣伝のために受けている雑誌のインタビューでは、伊野尾はすでに短髪＋黒髪になっていますので、今後は涼の心に大きな変化が訪れるのかも？　ストーリーも併せて、今後の展開が楽しみですね。