朝の生活情報番組『あさイチ』（NHK）のMCを機に、もともと高かった好感度がさらに上昇しているV6井ノ原快彦。その温和な表情から“良い人キャラ”で知られていますが、世間のイメージ通り、井ノ原はジャニーズの後輩の面倒見も良いようです。A.B.C-Z戸塚祥太が総合文芸誌「ダ・ヴィンチ」（KADOKAWA）で連載している「ジョーダンバットが鳴っている」では、そんな井ノ原の人間性が伝わるエピソードがつづられています。



井ノ原のことを「芸能界のお兄ちゃん」と慕う戸塚は、「ダ・ヴィンチ」2014年5月号・6月号と2号にわたって井ノ原との交流話を展開。バラエティ番組『百識王』（フジテレビ系、06年～13年放送）での共演がきっかけで、収録後に食事に誘ってもらう関係になりましたが、戸塚はそんな大先輩に対して“裏切り行為”にもとれる事件を引き起こしてしまいます。

それは、およそ3年前のこと。伸ばし放題だった戸塚の長髪を見た井ノ原が、髪型のアドバイスをし、著名人を担当している超一流のヘアメイクさんを紹介してくれたとか。さっそくその人に髪を切ってもらい、写真を井ノ原にメールしたまでは良かったものの、わずか2週間後、戸塚は突如として坊主に。出演作品のためのイメチェンではないだけに、当時ファンの間で戸塚の“坊主事件”は大きな話題となりました。

井ノ原も思わず「お前どうした？　この前いい感じにカットしたばっかりじゃん！」と驚き、周囲も微妙な空気に包まれましたが、収録では井ノ原が「おいハゲ！」とイジってくれたことで、和やかな雰囲気で収録が進んでいったそう。収録後、井ノ原から電話がかかってきたため、そこで「実は、僕ジャニーズを辞めようと思って頭を丸めました」と率直な気持ちを明かした戸塚。井ノ原の好意を無下にしてしまったことを謝罪するとともに「今はもう大丈夫です」と立ち直ったことを報告すると、

「いいんだよ、俺のことは気にしなくて。それよりお前、本当に大丈夫なんだな？　いきなり坊主ですごく心配したけど。でもさ、なんかあったら言えよ。電話してこいよ」

と、叱るでもなく、戸塚の気持ちを理解して温かい言葉でフォロー。収録では愛のあるツッコミで場の緊張感を和らげ、その後も戸塚の異変を察知するなんてなかなかできることではありません。

先の『百識王』は、昨秋から『モウソリスト』として番組がリニューアルしましたが、共演者の高田翔やnoon boyz・真田佑馬も井ノ原を慕う1人です。「ダ・ヴィンチ」5月号でも、真田と井ノ原が食事に出かけた際のエピソードが紹介されており、戸塚は真田について「もともと彼なりにいろいろ思うところがあって、井ノ原くんに相談したかったのだろう」と思いを巡らせ、井ノ原のアドバイスを受けた真田は吹っ切れたように大きくうなずいていたとか。

また、高田も「女性自身」1月28日号（光文社）のインタビューで、井ノ原について「僕、実は仕事で悩んでいたことがあって、でもこの番組で井ノ原さんがいたから頑張ろうと思えた。今の自分があるのは井ノ原さんのおかげ。感謝しています！」とコメント。ジャニーズファンでもあるロックバンド「NONA REEVES」の西寺郷太も、井ノ原との初対面で、ニアミスした過去のことを井ノ原が覚えていたために「一発で心を掴まれた」と話すほど、ジャニーズ内外からも井ノ原の人柄は愛されているのです。

そして「ダ・ヴィンチ」6月号では、戸塚が井ノ原に直接取材を敢行した様子が掲載されています。残念ながら2人のツーショット写真はありませんが、ジャニーズJr.時代の思い出や、井ノ原なりの“ポジティブ思考論”を展開。人生において人間関係を大事にする井ノ原は同誌で、

「なんかさ、みんなで楽しんでいるのに、その中に一人でも辛い思いをしてる人がいたら、俺は嫌なんだよね。みんなで楽しくなるのが一番じゃん。嫌な思い出とかって結構残るんだよ。それを引きずったまま生きてほしくないんだ」

と語っており、あらためて井ノ原の懐の広さが伝わる内容になっています。忙しい合間を縫って、10歳下の後輩の連載にまで、快く協力する井ノ原。癒し系の顔立ちなため、決して華やかなアイドル街道ではなかったはずですが、30をすぎて人間的な魅力が開花し、それが『あさイチ』の高評価にもつながっているのかもしれませんね。