＜ジャニタレドラマ・ネットの声＞

■『平成舞祭組男』（日本テレビ、毎週土曜24時50分～）初回視聴率2.9％（ビデオリサーチ調べ、関東地区）

Kis-My-Ft2から飛び出した派生ユニット「舞祭組」の初主演ドラマ『平成舞祭組男』が10月18日にスタートしました。横尾渉、宮田俊哉、二階堂高嗣、千賀健永が実名で登場し、なにをやっても冴えない“ブサイク”なサラリーマン役を演じることが話題を呼んでいるこの作品ですが、舞台裏もかなりユニーク。お笑いトリオの東京03と、『35歳の高校生』（日本テレビ系）や『ルーズヴェルト・ゲーム』（TBS系）などを手がけた山浦雅大が脚本化し、かつて『マネーの虎』（日本テレビ系）などをプロデュースした栗原甚が演出を担当しています。



パクパク製菓の営業企画部で働く4人は、上司の芹沢課長（野間口徹）に怒られてばかりのサラリーマン。 社内のマドンナ・湊里香（南沢奈央）に励まされては、毎日の仕事をなんとか乗り切っています。 第一話では同僚の退社に伴い、念願のグループリーダーに昇格かと浮かれる横尾をメインに、それを共に喜ぶ宮田、二階堂、千賀の3人の様子が描かれます。ある日、本社から切れ者と評判の南条愛（マイコ）が異動してきますが、彼女があろうことかグループリーダーに任命され、すっかり落ち込んでしまった横尾。南条の「泣いている暇があるなら仕事をして」という心ない言葉に、横尾は涙ながらに「やる気だけはあります。オレ、この仕事が大好きなんです。笑顔を売るこの仕事が」と仕事への思いを吐露します。

4人の中では一番キャリアがあるのにヘタレで滑舌も悪い……という横尾の設定がほぼあて書きで、オンエア中もリアルにハラハラさせられたこの回。ネットの声を見てみると、「横尾が大根過ぎる」「相変わらずの演技だったわ、横尾師匠」など、特にこの回メインの横尾の演技力に対するツッコミが多く見られました。また、「ドラマより、コント番組のほうが4人に合っていたのでは？」と企画そのものを疑問視する意見も。しかしそんな中にも「横尾の泣き演技になにかグッときたし、それを心配そうに見守る3人もかわいすぎた」と評価する声や、『キス濱テレビ』（テレビ朝日系）でPC操作などオフィスでの作法を身につけた4人の「サラリーマンの演技が意外に自然だった」という感想も見受けられました。

メンバー自身は初主演に緊張しつつも、二階堂が「このチャンスを絶対掴むし、色んな意味で見返してやりたいと思うよ　今までの俺達4人の気持ちを」とこの仕事への意気込みを語っています。また宮田はストーリーについて「笑えるし泣ける！！　一生懸命な人がステキに思えるヒューマンドラマ」と分析。ウルフルズの『ガッツだぜ!!』などヒット曲を使ったダンスシーンを含む構成については、「新しいドラマの形だと思う」（二階堂）とも感想を述べています。そして初回でメインを張った横尾の「よく噛む、滑舌が悪い！　しかも、演技が下手　そんな僕ですが、やれる限りやります」（以上すべてジャニーズ公式携帯サイト「Johnny's web」より）というコメントが印象的です。

4人の心の動きをダンスなどを交えて表現していくこの作品は、ドラマとしてはかなり異色です。また4人とも舞台経験は豊富なものの、映像ジャンルではまだ経験の浅さを感じさせられる部分が多いのも事実。しかし、これをドラマというよりも“不器用でブサイクな中にもキラリと光るものをもっている”4人の魅力を表現するための長編PVだと捉えれば受け入れやすいかも。彼らが得意とするダンスを盛り込んだシーンはもちろん、不器用さをにじませる演技も“ピュアで熱い心を秘めた、どこか愛すべきキャラクター”をリアルに表現するのに不可欠な要素といえなくもありません。ただ、それがファン以外の一般視聴者に受け入れられるかが成功の分かれ道となりそうです。

ドラマでは4人それぞれのメイン回があるので、今後も各自のソロダンスシーンなど、彼らの持ち味を十二分に発揮した内容が期待できそうです。また、第2話以降は“4人が会社のリストラ候補に？”という時勢をも反映した展開になっていくので、不器用な4人がこのピンチにどう立ち向かい、乗り越えていくのか。4人と一緒になって怒ったり、笑ったりしながら見守りたいところです。初回は野球中継の影響でオンエア時間が遅くなってしまい、視聴率も若干控え目。異色のドラマは視聴者に受け入れられるのか、今後の視聴率にも注目していきましょう。