＜アイドル誌チェック!!＞

「Myojo」（集英社）の名物企画といえば、ジャニーズアイドルたちの生い立ちからデビューまでに迫った1万字インタビュー「裸の時代～僕がJr.だったころ」。アイドルが知られざる苦悩や葛藤、ジャニーズ内での熱い友情を赤裸々に語ったこの企画、Kis-My-Ft2版は単行本化されるなど、大きな反響を呼びました。



そんな名物企画が4月号をもって終了し、5月号からは1万字ロングインタビュー「STAND BY ME～いつもそばにいてくれたね。～」がスタート。これは毎回一人のジャニーズアイドルにフォーカスを当て、「つらいとき、悲しいとき、いつもそばにいてくれたのは誰だったか―。“絆”をテーマに、知られざるエピソードをひもといていく」というもの。記念すべき1回目はタッキー＆翼の滝沢秀明が登場し、ジャニー喜多川社長への思いやエピソードを語っています。

インタビューでは、「兄貴的な存在」と話すKinKi Kidsや、昨年に体調不良で歌番組の出演やコンサートを欠席した今井翼にも言及していますが、多くの分量を割いているのはジャニー社長のこと。10代半ばのJr.のころ、ジャニー社長がショーを見せるためにラスベガスに連れて行ってくれた話をきっかけに、滝川たちが“ジャニイズム”と呼んでいるジャニーズ帝王学について話が及びます。ジャニー社長のスケールの大きい演出や独自の世界観はファンをも驚かせていますが、ファンよりも驚いているのは出演しているアイドル自身なのだとか。滝沢自身も「ジャニーさんが言うこと、最初は特にわかんないんですよ。“そんなのカッコよくない”とか、“そんなのおもしろくない”って思う。僕だって今まで何度も何度も思ったから」といい、いまだに演出に関しては現場で言い合いになり、口を利かなくなることもあるのだとか。

それでも「理解できることは普通というか。理解できないから非日常であって、そこにおもしろ味や、新しいものが生まれるというか」「普通だったら無難な作品しか生み出せないって、ジャニーさんを見てると思えるんですよね。普通の人じゃできないことをやらないと意味がないって」と、言葉の端々にジャニー社長の尊敬の念が表れており、「本当にすべてを与えられていたので、少しでも返したいんですけどね。ただ、与えていただいたものの大きさを考えると、どんだけ恩返ししても足りない」と、滝沢にとってはある意味親以上の信頼や感謝を寄せていることもうかがえます。

そして話は、ファンの間でも目撃情報が飛び交っていた、昨年10月のジャニー社長のサプライズ誕生日会へと及びます。滝沢いわく「幹事は（中山）優馬です」とのことですが、会場の選出から参加者への連絡、進行のための台本づくり、参加できない人からジャニー社長へのビデオレターの編集まで、すべて滝沢が行ったそう。そこまでしたのにもかかわらず、ジャニー社長には当日「勘づかれて逃げられた」んだとか。どうにか説得して会場まで連れて行ったものの、「なんか府に落ちない感じでしたね、ずーっと」。ところが、「僕らは、これまでの感謝を初めて伝えた」というビデオレターがジャニー社長の心を打ったようで、「ジャニーさん、“みんないいコに育ってくれてよかった。幸せだよ”って言ってくれて。やっぱり、ちょっとグッと来たな」と恩返しが少し果たせたことを喜んでいます。

ジャニー社長は今年の正月に放送されたラジオ『蜷川幸雄のクロスオーバートーク』（NHK第1）に出演した際、これからやりたいこととして、「若い人はこれからどんどん伸びていくけど、大事にしなきゃいけないと思う。タレントとして育ってるけど、人間としてまず育ってないわけですよ。僕はやりますよ、絶対に。死ぬ前にちゃんとやります」「若い子を築き上げなきゃ。金儲け主義でやってるんじゃないってことはハッキリわかると思いますよ」と、強い口調で決意を新たにしていました。しかし、ジャニー社長に素直に感謝を表し、作品を通してジャニイズムを継承しているアイドルを見ると、それは徐々に実現しているのではないでしょうか。

初めは乗り気じゃなかった会が相当楽しかったようで、「“誕生会、今年中にもう1回やってよ”って言われて。“いやいや、ジャニーさん、誕生日会っていうのは、年に1回なんだよ”って説明しておきましたよ（笑）」と、ジャニー社長の天然な一面を語っていた滝沢。「ときには親子になったり、ときには友だちになったり、ときにはケンカ相手になったり」とジャニー社長との絆を噛みしめていましたが、2人の信頼と言い合いの果てに、今後もジャニーズでしかできない素晴らしい作品を作り上げてほしいものです。