映画ライターが選ぶ、印象に残った“有名監督×ジャニーズアイドル主演作”TOP3

2015.12.31

2015年もたくさんの映画が公開されました。『アメリカン・スナイパー』に『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。『セッション』も話題になりましたねぇ……ってここはジャニーズ研究所! 語るべきはどんなハリウッド大作よりもジャニーズでした。というわけで、2015年にジャニーズタレントが出演した映画の中から3本をピックアップ。「有名監督が撮った、印象的なジャニーズアイドル主演作」を紹介していきましょう。



味園ユニバース



■渋谷すばる主演『味園ユニバース』
監督:山下敦弘
出演:二階堂ふみ 赤犬 鈴木紗理奈ほか
2月14日公開

(あらすじ)
大阪のとある広場で開催されていた、地元で人気のバンド「赤犬」のストリートライブ。そこにふらりと現れた男(渋谷)が、いきなりマイクを奪い取って熱唱! そこにいる誰もが静まり返る圧巻の歌声だった。自分の名前すら覚えていない男はポチ男と名付けられ、赤犬のマネジャーであるカスミ(二階堂)の家に居候することに。ポチ男は、怪我をしたボーカルの代わりに赤犬のライブで歌うようになるが、日が経つごとに少しずつ記憶がフラッシュバックしていく……。

監督は、『天然コケッコー』や『マイ・バック・ページ』の山下敦弘。彼は、初期の三部作『どんてん生活』『ばかのハコ船』『リアリズムの宿』でのシュールな作風がみる人を病みつきにさせた、マニアも納得の映画人であります。ちなみに筆者もその三部作が大のお気に入り。ドキュメンタリードラマ『山田孝之の東京都北区赤羽』(テレビ東京系)にディレクターとして出演し、山田孝之に翻弄されていたヒゲの人です。

「渋谷すばるで映画を作りたい」という企画を発端として、オリジナル脚本が作られたこの作品。大阪の千日前に実在するビル「味園」にあったキャバレー「ユニバース」を舞台にすることで、山下監督は大阪らしい明るくドギツイ文化と芸術性を前面に打ち出していきます。そこに渋谷を置くだけで、この地で育ったチンピラのできあがり。必要なことしかしゃべらない寡黙な主人公は、渋谷が放つ独特のオーラと見事マッチしました。

注目は、歌っているすべてのシーン。山下監督は「クズな主人公」を撮る能力に長けている人ですが、一度キレると相手が失神するまで殴り倒してしまう恐ろしい性格のポチ男が、本来持っているまっすぐな性格やハングリー精神を、渋谷の目と歌だけで表現しています。ともすると暗くなりがちな題材が、パワフルでポジティブなものになっているのは、山下監督の演出力と渋谷の個性の相性が良かったから。大成功のジャニーズ映画と言っていいでしょう。

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コメント

  1. 名無しだJより 2016年01月02日 11:20 AM

    猫よん(風間くん)もちゃんと入れてくれてありがとうございます。

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