“事務所確認”が必要な過激描写も!? 作家・加藤シゲアキの新境地

2015.6.2

小説家としてひと肌脱いだシゲちゃま



<ジャニタレ掲載誌チェック!!>

作家としても注目を集めているNEWS加藤シゲアキが、6月1日に初の短編集『傘を持たない蟻たちは』(KADOKAWA)を発売。「オリスタ」6月8日号(オリコン・エンタテインメント)のインタビューでは、1つ1つの作品に関してはもちろん、アイドルとしての活動と作家活動のバランスなどについても語っています。



2012年に『ピンクとグレー』で作家デビューして以降、13年に『閃光スクランブル』、14年に『Burn.-バーン-』(いずれもKADOKAWA)と年1冊のペースで長編小説を発表してきた加藤。今回の短編集に収められた作品のうちいくつかは、「小説 野性時代」(同)や「週刊SPA!」(扶桑社)に掲載するにあたり、同時進行で書かれています。「同時進行は初めてだったけど、他の作家さんはいくつもの作品を書いたりしているし、自分も逃げないでやろうって。俺、去年は意識が高かったんです、たぶん(笑)」とやや茶化していましたが、中には“サラリーマン”“ストーカー”など、編集者から与えられたテーマに合わせて書かれた作品もあり、こんなところからも作家としての成長がうかがえます。

この中に『イガヌの雨』というSF作品がありますが、これは見た目はグロテスクなのに、食べると超絶美味な内臓を持つ宇宙生物「イガヌ」をめぐる物語。突拍子もない設定ですが、色や食感、味わいなど“イガヌがどれだけおいしいのか”を伝える表現が絶妙で、それについて加藤は「食レポは下手なんだけど(笑)、また別モノなんだろうね」と謙遜しています。

この表現方法の豊かさについては、「映画から物語の作り方を学んだから、頭の中が映画(映像)ベースなんだと思う」「もともと、ダイレクトに感情を表現するのが好きじゃないんですよ。『悲しい』ってダイレクトに言ってしまうより、行動や場面、描写で伝えたい。当たり前なんだけど、切ない話を書くときに『切ない』って言葉は使わない」などと自ら分析。

NEWSの一部の作品でも作詞を手がけている加藤。愛することの苦悩や恋愛における駆け引きをヴァンパイアをモチーフに表現した「ヴァンパイアはかく語りき」(シングル「チャンカパーナ」初回盤Eに収録)では、ゲイリー・オールドマンやジョニー・デップといった有名なヴァンパイア映画に登場した俳優の名前を並べてみたりといった、言葉と映像を結びつけるような表現を多用しています。また、この映像的な表現については、原案を手がけた「MR.WHITE」のショートフィルム(アルバム『WHITE』の初回限定盤に収録)でも存分に発揮されていて、ファンの目線で“萌え”を楽しめるようにと、男子のカッコよさやチームならではのわちゃわちゃ感をわかりやすく伝えられるヒーローものをベースに提案。さりげない中にも女子のツボを上手く抑えたシーンの数々が好評でした。

この短編集には同性愛や衝撃的なラブシーンといった描写が含まれる『にべもなく、よるべもなく』という書き下ろし作品が収められていますが、「(作品を書くにあたり)編集の方に確認したら、『事務所に確認します』と言われました(笑)。事務所的には『今さら何!?』っていう反応だったので、作家として認めてくれたのかな」とサラリ。これまでの芸能界や渋谷を舞台にした“渋谷サーガ”と呼ばれる長編小説とは趣が大きく異なる6篇がまとめられています。

3月から始まったツアーでは、他のメンバーがリラックスしている移動中にもこの単行本の作業に追われていたそうで「あのときは苦しかった……」と回想していた加藤。しかし「作家業をやっている分、アイドルやるのも楽しいんですよ。よし、これだけ書いたから、表ではめっちゃハシャごう!って」と語り、両方の活動をメリハリをつけながら楽しんでいるのだとか。この『傘を持たない蟻たちは』はもちろんですが、今後もジャニーズ事務所初のアイドル小説家としてどんな意外性のある作品を生み出してくれるのか、大いに期待したいところです。

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コメント

  1. より 2015年06月02日 11:29 PM

    へー、精力的に創作活動やってるんだね。一発屋で終わるどころか継続しつつ活動の場を広げているとは、ちょっと感心する。
    アイドル稼業がそこそこなのが幸いしてるよ。
    ジャニヲタしか喜ばないような、他にいくらでも代わりがいる程度のアイドル仕事で摩耗していくより、個性を発揮して、ゼロから自分で作り上げていける得意分野を今のうちから磨いていく方が、将来明るいと思うわ。

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