【アンケート結果発表】あなたの好きな作家・加藤シゲアキの作品は?
2015.7.8
6月19日~26日に実施したアンケート「あなたの好きな作家・加藤シゲアキの作品は?」に投票をいただきまして、ありがとうございました。先月26日には、お笑い芸人のピース・又吉直樹とともにバラエティー番組『タイプライターズ~物書きの世界~』(フジテレビ系)でMCを務めるなど、芸能人作家としても認知され始めた加藤。これまで出した著作は4冊ですが、ファンとしてはどの作品に魅了されたのでしょうか。早速結果を見てみましょう。
■第4位『Burn.-バーン-』
4位は、加藤の3作目となった長編小説『Burn.-バーン-』です。物語の主人公は、新進気鋭の演出家・レイジ。周囲の期待をプレッシャーに感じ、次回作の脚本を書けずにいたレイジは、妻とともに交通事故に遭い、入院先でローズという老人に再会します。彼は、レイジが天才子役と呼ばれていた幼いころに出会ったドラッグクイーン。私生活では孤独だったレイジは、ひょんなことから知り合ったホームレスの徳さんやローズとの交流で、子どもらしい経験を味わえたのでした。それなのになぜ20年もの間、彼らとの思い出を封じていたのか。レイジは記憶をたどるうちに、苦しい過去と向き合うことに……。
投票理由としては「シゲが書いたものとしては、一番自然な感じがした」「クールで人見知りというイメージの加藤くんの、意外なアツイ面をのぞくことができる作品」といったコメントが並びましたが、人間愛や社会問題にまで切り込んだ加藤の意欲作は残念ながら4位。レイジのキャラクターに加藤自身が投影されているという推測も多く、そういった見方をすれば、より深く作品を読み込むことができそうです。
■第3位『閃光スクランブル』
現役女性アイドル・亜希子と、妻を亡くした事実から立ち直れないパパラッチ・巧の2人の内面に鋭く迫った『閃光スクランブル』が第2位。亜希子は年上のスター俳優・尾久田と不倫をしていますが、その密会にはマネジャーが介在していたり、メールもマネジャーを通してしか送れなかったりと、“芸能人同士の恋愛ルール”が細かく描写されているところに、ファンの想像も掻き立てられたよう。「アイドルが書くアイドルが面白い」「シゲが実際に体験したんだろうなという描写がいくつかみられて、もしかしたらあのときシゲはこう感じていたのかな、と本を通してシゲのことを知ることができるような気がした」といった投票理由が並んだのも、リアルすぎる記述が読者・ファンの心に強く残ったからではないでしょうか。
■第2位『傘をもたない蟻たちは』
2位には、先月発売されたばかりの短編集『傘をもたない蟻たちは』がランクイン。芸能界に生きる人を描いた前3作とは打って変わって、サラリーマンや男子中学生、美大生ら市井の人を主人公に据えた作品が、読者の心をつかんだようです。「作家として一皮むけた短編集に一票。芸能界の苦悩から、人間の苦悩に昇華した作品」「もやもやする主人公のオンパレード。 これでもかというくらいの屈折やら偏執やら面倒臭さ、さすが加藤シゲアキ。 容赦ない筆致はあっぱれでした」「心のどこかで持ち合わせている孤独を、リアルに表現しているのに重くなりすぎないところが良かった」と、物語のテイストはひとつひとつ違うのに、読後にしっかりとした“加藤シゲアキの世界”を感じられたという人が多かったよう。今作では生々しい性描写が話題になっていましたが、小説家として大成するには「攻め」の姿勢が欠かせません。アイドルのときは違った加藤の一面が見られる、それが彼の小説を読む醍醐味なのかもしれませんね。
■第1位『ピンクとグレー』
1位選ばれたのは、加藤のデビュー作『ピンクとグレー』! 小学生のころから仲の良かった大貴と真吾は、大学進学を機に一緒に住むことに。真吾はバイト感覚で始めた読者モデルでブレイクし、一躍若手人気俳優へと駆け上がっていきます。一方で、エキストラどまりの大貴は、真吾がひとり別世界へ羽ばたいていくことに羨望と孤独感を深め、2人の間に埋まらぬ溝が生まれます。そして、事態は破滅へと進んでいき……といった内容で、衝撃的なラストが印象的な作品となっています。
コメント欄にも「処女作としての衝撃度合い、物語の儚さや芸能界の華やかさが描かれた世界観、そのすべてに揺さぶられました」「独特な終わり方がとても印象に残っていて、加藤シゲアキの小説と言われると一番に思い浮かぶから」「こんなに号泣した本はいままでなかった」という意見が並び、処女作にして加藤の代表作となったと言えるでしょう。本作はHey!Say!JUMP中島裕翔主演で映画化が決まっており、監督は『世界の中心で、愛をさけぶ』『春の雪』などで知られる行定勲氏。あの世界観がどのように映像化されるのか、公開となる2016年新春が待ち遠しいですね。
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コメント
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慶ちゃんより 2015年08月10日 10:46 AM
Burn.結構好きなんですけどね~。
素晴らしい生き方ってこういうことなんだなって思ったり・・・。 -
亜希子より 2015年12月18日 1:57 AM
私は閃光スクランブルが一番好きです。
アッキーの心情があまりにも自分と似ている部分があって、感情移入してしまいます。
最近出た文庫を買って、また読み返してます。
もももより 2015年07月08日 4:43 PM
映画「ピンクとグレー」は原作とちょっと違うらしいですね!
ラスト違うのかな?
別物として見た方がいいらしいですね!