ニッカポッカからこんなオシャレな衣装を着るようになって……（涙）

＜ジャニーズ　ぶっちゃけ発言＞

――ジャニーズアイドルといえども、やっぱり一人の男。思わずポロリと漏らした発言から、彼らの素の顔が見えるかも!?

■今回の発言者
横山裕（関ジャニ∞）

「俺が思てるジャニーズとちゃう」

関ジャニ∞の横山裕が、トーク番組『サワコの朝』（TBS系、2月28日放送）に出演した。司会の阿川佐和子は、『聞く力　心をひらく35のヒント』（文芸春秋）というミリオンセラーを持つ作家。彼女の持つ“聞く”才能はもはや魔力で、横山が阿川に乗せられてしまった感は否めないが、それにしても出るわ出るわ、ぶっちゃけ発言の嵐！　しかし番組を振り返ってみると、それらは横山の器の大きさが際立つ感動秘話だったのだ。

関ジャニ∞として、昨年デビュー10周年を迎えたが、人気がブレイクするまでの道のりは苦労と努力の連続だったという。横山は、ジャニーズJr.時代のエピソードとして「タッキー（滝沢秀明）がジャニーズJr.としていろんなレギュラー番組に出ていて、僕らは“おこぼれ”を食べに行きました。仕事が増えたことで、若さのせいもあり、人気者になったと勘違いしたことも。タッキーのデビューを機に仕事が一時期なんにもなくなりました」と振り返った。そこで、聞き上手の阿川が「なにしてたの？」とツッコむと、「ほんまにね」と腕を組んで間をおいたあと、横山は「パチンコしてました」と明かした。阿川をはじめスタジオからは爆笑が起こったが、横山は続けて「すいません。これ言うなって言われてたんですけど」と話し、事務所的にNGの話だということを匂わせた。そんなNG話のときこそ、根っからの大阪魂をフルに発揮、またも阿川らを笑わせた。

20歳を越えているのに“ジャニーズJr.”と言われることに、焦りと恥ずかしさがあったとも語る横山。しかし「お前ら人気なくなってきてる。ここでチャンス掴まんかったらシャレならへんぞ」とスタッフに言われたことで関ジャニ∞メンバーは奮起したという。最後のチャンスと認識した大阪松竹座での舞台。客席を埋めたいとあえて客のいない3階に踏み込んだり、コントをやったりして、ウワサ頼みの手法に出てみた。コンサートで人気のエイトレンジャーは、横山発案。衣装から構成までメンバーで考え、誕生したキャラだ。当時は暇だったからできたと前置きしたが、47都道府県を4カ月間かけてまわったコンサートでは、観客との距離を縮めることに成功。可能性があればなんでもやる、そんながむしゃらさが報われデビューが叶った。

嵐のデビューは豪華にハワイだったが、関ジャニ∞はレコード会社の屋上でのデビュー記者会見。自分の名前が書かれたのぼりを全力で振った。しかもデビュー曲は演歌。レコード店周りで店長と握手してCDを置いてもらうという、典型的なドサ周り方式だったと振り返る。先輩たちとはあまりに違う一連の流れに戸惑い、扱われ方に不満を持ったという横山は「俺が思てるジャニーズとちゃう」と思ったが、デビューできた喜びの方が勝っていたという。

高校には進学せず、建設会社に就職していた横山。Jr.時代、仕事との両立の日々を送っていた横山がニッカポッカ姿でテレビ局へ駆けつけていたとき、スタッフに「さすがにまずい、これまでのジャニーズのセオリーにそれはない」と言われたこともあったという。それから18年。「いろんなことをさせてもらって、いろんなこと吸収できて、人として大きくなるチャンスをすごい与えてもらってるなあ。ジャニーズなんで、いろんなことやりたいから、この事務所好きなんやなあって思てる」と横山は言う。さらに彼の口からも「アイドルとは思ってない。ジャニーズだと思ってる」と最近のジャニーズにおけるキーワード、“アイドルでない”発言も飛び出した。

阿川の誘導により、図らずも今から約5年前に他界した母とのエピソードまで掘り出された横山だったが、亡くなる1週間前に「1万何人が入った大阪城ホールでソロコンサートができたのが最後の親孝行。2人の弟を一人前になるまで責任を取ると母と約束した」という発言に阿川もビックリ！　「かっこいいじゃない。こんな男前だとは夢にも思わなかった」と阿川は涙をぬぐった。

今回の放送で飛び出した「俺が思てるジャニーズとちゃう」という言葉の深い意味。横山にとっては“想定外”のジャニーズ路線だったろうが、さまざまな壁を乗り越えてきた彼の堂々とした話しぶりを見ていると、“思てるジャニーズ”じゃなかったからこそ関ジャニ∞、そして横山自身の成長があったのだと確信できる放送だった。