V6森田剛の主演映画『ヒメアノ~ル』の好評のカギは、原作とやや異なる設定にアリ!?

2016.6.1

V6森田剛の主演映画『ヒメアノ~ル』の好評のカギは、原作とやや異なる設定にアリ!?

いい役に当たったことを、全森田ファンが感謝中

 試写会の時点で、「暴力的で残虐」「グロテスクすぎる」などジャニーズアイドルが主演を務めているとは思えないような感想が並んでいた、V6森田剛の主演映画『ヒメアノ~ル』。殺人鬼を演じる森田の怪演に、中には試写会中に途中退席してしまう人や、過呼吸を起こす人も見受けられたという報告もあり、ジャニーズファンのみならず、映画ファンも期待と不安を抱えながら公開を待ち望んでいた作品だ。今作が5月28日に封切られたが、前評判以上の話題を呼んでいる。

 今作は、『行け!稲中卓球部』『ヒミズ』(講談社)などで知られるマンガ家・古谷実の同名作品が原作。独特の絵柄や、ギャグとインモラルを織り交ぜた世界観に引き込まれるファンが多い。また、監督を務めた吉田恵輔は、関ジャニ∞安田章大が出演した映画『ばしゃ馬さんとビッグマウス』(2013年)、Sexy Zone中島健人が主演を務めた『銀の匙 Silver Spoon』(14年)の監督もしており、ジャニーズアイドルとの関わりも深い人物である。

 “99分”という映画としては決して長くない時間の中に、登場人物たちの平凡で笑える日常の風景と、狂気に満ちた世界が交錯している今作。ビル清掃員として働く岡田(濱田岳)は、同僚の安藤(ムロツヨシ)が思いを寄せるユカ(佐津川愛美)との恋を成就させるよう頼まれ、ユカが働くカフェに通うように。こんな、よくあるラブストーリーから話は始まる。

 安藤は、テラス席にいる金髪の男がよくカフェに来ており、ユカのことをジロジロと執拗に見ている、と岡田に話す。その「金髪」とは、岡田の高校時代の同級生・森田正一(森田)だったのだ。真相を聞こうとする岡田に、「ここには初めて来た」と返事をする森田。しかし、後日ユカは「森田にストーキングされている」と岡田に打ち明ける。その事実を知った岡田は、高校時代の森田を思い出し、ある不安を抱くのだった……。

 公開からまだ数日しか経っていないが、Twitterや映画レビューサイトには「森田剛くんのすごさを見て、虜になって帰ってきました」「怖かったけど、剛くんの演技に引き込まれた」「剛くんじゃないみたい、ヤバイ」など、森田の演技を称える声や、「今年見た邦画の中で一番面白かったかも」「こんなに頭から離れない映画は初めて」など、映画ファンからも好評価を得ているようだ。

 前評判では“恐ろしい作品”として見られていた今作だが、「泣いた」という感想も意外と多い。それは、原作とは異なる森田と岡田の関係性、そして森田が今作への出演を決めたという、ラストシーンが鍵を握っている。

 『Cinema☆Cinema No.63』(学研プラス)の中で森田は、「ラストシーンはやはり自分の中では大きなものになりましたね。最後のセリフに関しても、台本をもらったときから自分の中で『行けるな』という思いがありました」と、撮影に入る前からラストシーンを思い描いていたと語っている。また、共演のムロツヨシも同誌で「僕はラストがすごく印象に残りましたね。ハッピーエンドでもないし、アンハッピーエンドでもないし、いい終わり方と言っていいかも分からないけど」と、言葉では表現できない感情をラストシーンに味わったようだ。

 「強者の餌となる弱者」を意味する造語「ヒメアノ~ル」。単純に考えれば、人の命を奪う森田が“強者”で、その被害者が“弱者”であるように思える。しかし、その2つが前触れも無く突然入れ替わることがあると、この作品は語っている。平凡でありきたりな日常が、突如として狂気を帯びた世界へと変わる。これは、“映画の話”ではないのかもしれない。

 恐ろしい映画ではあるが、それだけではない魅力がラストに詰まっていると言っても過言ではない。一体どのような結末が待っているのか、ぜひ映画館で確認してほしい。

コメント

  1. 名無しだJ より 2016年6月19日 1:10 PM

    ヒメアノール見ました。
    怖いというよりも悲しい気持ちになりました。でも、すっごい面白い作品だと思いました!!何回でも見たくなる映画です。

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