一般の目から見ても“変”だと思われている、ジャニーズ事務所が発表したコメント。これを日ごろからいろいろなタイプの文章と向き合っている「校正者」が読んだらどのような印象を持つのだろうか。現役校正マンのAさんからは、ジャニーズ事務所のコメントを見て「あ然としました。率直に“日本語を覚えたての外国人”が書いたのかと思いました」と辛辣な言葉が飛び出した。
「『報道関係各位~ジャニーズ事務所』とあるので組織として公式に発信されたものに違いないのですが、それが『お酒』で始まるわけですから驚くしかありません。校正作業でも速報などのタイトなニュース記事やビジネス文書の場合は、ある程度定型化された流れがあるので、それに調子を合わせつつ自分の頭の中で先行して文章の展開を読み、それと実際の文章に『おやっ?』と思う点があると立ち止まるわけですが、これではのっけから“急ブレーキ”です」(Aさん)
公式に発表する文章として違和感があるのは、基本的な文章の書き方や、ジャニーズ事務所側の「悪い印象を払拭したい」という強い気持ちが見え隠れするからだと、Aさんは指摘する。
「そもそもこういった文章を書くとき、酒に“お”はつけないですし……。『被害者の方のお気持ちを考えずにキスをしてしまいましたことを~』と続きますが、これが情報として、また文章そのものも不自然で、大勢の方も違和感を抱いた箇所のはずです。『お酒のせいでついつい強引にキス“だけ”してしまいました』と印象づけたかったのかなと。『山口は普段はいい子なのよ。酒さえ飲まなかったらこんなことには……酒が、酒がにくい!』『でもね、この件はね、もう済んだことなの!』って叫びが行間から聞こえてきます」(同)
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