この表情でファンに「LOVE KENTY！」を強要する、最強のアイドル

＜アイドル誌チェック!!＞

ジャニーズアイドルが最も輝く場、それはコンサート。『嵐にしやがれ』（日本テレビ系、8月15日放送）で、嵐・大野智がV6坂本昌行とのリーダー対談で「コンサートは大事。いろんなとこでやりたい」と明言するように、日ごろ応援してくれるファンをあの手この手を使って喜ばせている。

現在開催中の『V6 LIVE TOUR 2015 -SINCE1995～FOREVER-』では、コンサートを盛り上げる必需品「銀テープ」にメンバーからの直筆メッセージがプリントされていたり、Kis-My-Ft2の『2015 CONCERT TOUR KIS-MY-WORLD』では、玉森裕太と宮田俊哉の仲良しコンビが「BE LOVE」というユニット曲で、腕を組んでヴァージンロードを歩く、結婚式のような演出を行ったり。それぞれの個性を生かしつつも、ファンが予想だにしない“仕掛け”が用意されているのだ。

そういった演出は、スタッフがプランを練ったり、アイドル自身もアイデアを出したりと、苦心しながら作り上げていくもの。また自分たちが観客席から見た先輩のコンサートに触発されることも多いよう。「ポポロ」2015年10月号（麻布台出版社）では、「“思い出ライヴ”グラフィティ」と題し、Kis-My-Ft2、Hey!Say!JUMP、Sexy Zone、ジャニーズWEST、A.B.C-Z、中山優馬らが印象に残っているコンサートを出演編／観覧編に分けて、振り返っている。

Hey!Say!JUMPの有岡大貴やジャニーズWESTの濱田崇裕・藤井流星ら多くのアイドルが刺激を受けたと話すのは、嵐の『ARASHI LIVE TOUR 2014 THE DIGITALIAN』。これまでのジャニーズのコンサートでは火や水を使った特殊効果が定番となっていたが、このツアーでは「デジタルと人間の融合」をテーマに、メンバーの心拍数がモニターに映し出されたり、観客が持つうちわ型ペンライトが遠隔操作で演出の一部となったり、これまでにない構成でジャニーズファンの間でも話題になった。

それは後輩たちも同じだったようで、「（うちわ型ペンライトの演出で）会場とステージが一体になっていて、俺もうちわを持って参加したかったなって思ったよ」（有岡）、「光の演出がすごくて、ただでさえキラキラしてる嵐さんやのに、電飾でピカピカしてるから、まぶしすぎた！　先輩のライヴ見るといつも刺激になるわ」（濱田）、「水に映像を映し出したり、セットや照明もすごいし、とにかく感動！」（藤井）と、強烈な印象として残っているよう。

実際に先輩が行った演出を具体的に取り入れるアイドルも多いようで、Hey!Say!JUMPの伊野尾慧は、V6のコンサートで、ファンに3Dメガネを配ってVTRを見せるという仕掛けに「こんなこともできるんだ！」と感銘。その後は自身が出演する舞台『SUMMARY』で3D映像を使ったんだとか。「ポポロ」には記されていないが、伊野尾が見たのは2010年4月にスタートした『V6 ASIA TOUR 2010 in JAPAN 「READY？」』と思われ、3D映像を取り入れたのは10年7月に開幕した『SUMMARY 2010』。わずか3カ月の間で準備するのは大変だったろうが、伊野尾はそこまでしても3D映像を取り入れたかったのかもしれない。

またSexy Zoneの中島健人は、『GIFT of SMAP -CONCERT TOUR’2012-』ツアーで、木村拓哉のソロ曲「La + love ＆ peace」のコーラスをファンが歌う姿を見て、「俺もファンと盛り上がれる曲をやりたい」と思い、自身のソロ曲「CANDY～Can U be my BABY～」のインスピレーションを得たんだとか。「La + love ＆ peace」は愛の尊さや世界平和を謳った曲だが、「CANDY」は王道のキラキラ恋愛ソングで、ファンの掛け声も「LOVE KENTY！」。発想を得たことは間違いないが、中島色が色濃くなったということだろうか。

このように、曲や演出には先輩の影響が反映されることは少なくない。実際にコンサートに足を運んだ際に目を凝らしてみると、どのグループを参考にしているか、ヒントをつかめるかもしれない。