普段の山Pも感情動かなそうだしな

■『5→9～私に恋したお坊さん～』（フジテレビ系、毎週月曜午後9時～）初回視聴率12.6％（ビデオリサーチ調べ、関東地区）

人気少女マンガを原作にした、山下智久出演の月9ドラマ『5→9～私に恋したお坊さん～』（フジテレビ系）が、10月12日にスタート！　女性人気も高い石原さとみと山下の共演、しかも山下はこれまでのイメージからは想像がつかない、僧侶という役を演じるということもあり、オンエア前から話題になっていた同作。初回の平均視聴率は12.6％（ビデオリサーチ調べ／関東地区）だったが、夏クールの『恋仲』の初回視聴率9.8％に比較するとまずまずといったところ。

第1話は、桜庭潤子（石原さとみ）がある葬儀に参列するところから幕を開ける。慣れない正座で足がしびれた潤子は焼香台に手をついたはずみで、香炉の中身を僧侶・星川高嶺（山下智久）に向けてぶちまけてしまう。ある日、潤子は母・恵子（戸田恵子）の策略でお見合いをすることになったが、知らずに行った料亭にいたのはその高嶺！　しかも高嶺は「あなたを私の妻にして差し上げます」と言い放ち、結婚に乗り気ではない潤子を唖然とさせる。

その後、高嶺は潤子が講師を務める英会話スクールに入学したり、学校のパーティなどでも潤子につきまとったりするが、高嶺の祖母ひばりは寺の跡取りにふさわしい別の女性との見合いを進めようと画策。さらに潤子の周囲には彼女の旧友でスクールの生徒でもある商社マン・三嶋聡（古川雄輝）や、潤子をこの世界へと導いたスクールのゼネラルマネージャー・清宮真言（田中圭）などの魅力的なライバルたちがいた。2人の関係は平行線をたどるが、彼女の29歳の誕生日にスクールでちょっとした事件が……!?

今作は潤子と高嶺の恋の行方を中心にしたストーリーでありつつ、モテ女・潤子を取り巻く男たちとして田中や速水もこみちといったテレビでおなじみの顔や、アジア圏で高い人気を誇る若手の古川、ジャニーズJr.の長妻怜央やEBiDANの高田彪我といったニューフェイスも登場。女性陣にも同僚役で中村アンや久々のドラマ出演となる紗栄子らを据えており、話題性には事欠かないドラマといえる。

第1話オンエア時、ネットでは「石原さとみの家族構成や家でのジャージ姿、とどめで高嶺の祖母役が加賀まり子っていうのが『花より男子』（TBS系）を彷彿とさせる」という全体への指摘もあれば、山下の演技については「山Pただのストーカーだしな……キモっ」といったツッコミの声も多数。そしてストレートな演技の話ではないが、「英語の発音が石原さとみよりも流暢」「想像してたよりまともにしゃべってる」など好評なポイントもあり、これは『山Pのkiss英語』（フジテレビ）などで培われたものなのかもしれない!?

今回の役作りに関して山下は、「お坊さんが出ているバラエティ番組を見て、心得的なものを自分流に解釈してみたり。実際にお寺にも行って、お坊さんってどういう格好してるのかなって見たりもしました」（「TV LIFE Premium Vol.15」、学研パブリッシング）とコメント。そして高嶺の奇行については本人も理解し難いらしく、同誌で対談している石原に「（ストーリー上、潤子に）だいぶヘンなことしちゃってますけど…。ホント、どう思います？」と意見を求めるのだが、「どんなことでも山下さんが演じたらキュンとすると思う」と返されて「そうやってハードルを上げないでください（笑）」と照れていた。

2年ぶりの月9ドラマで、山下的にも意欲を持って臨んだと思われる『5→9～』。あまり感情を表に出さない職業である僧侶、しかもひと癖もふた癖もあるキャラクター……という設定に、山下の演技が想像以上にハマっているのではないだろうか。潤子のことをあきらめるようひばりに説得されるシーンでの苦悩の表情や、多くの女性視聴者に“キモい！”と言われてしまうレベルのじっとりした目つきや話し方などは、なかなかリアルだ。

話題性のあるキャストぞろいの『5→9～』において、山下に求められているのは周囲に食われない存在感。そして山下×石原の演技によってはドラマ全体の見どころが散漫になりかねないため、作品の評価はキモのキャラクターを演じる山下の健闘次第といっても過言ではなさそうだ。第1話は潤子を説教部屋に軟禁という衝撃的なシーンでエンディングを迎えたが、10月19日放送の第2話では一体どんな展開が待ち受けているのか、目が離せない。