『屋根裏の恋人』第1話、今井翼の濃厚キスシーンが物語の不気味さを際立たせ……

2017.6.6

 ドラマ公式サイトで今井はこの役について「何を参考にしていいのかわからない役どころではありますが、ミステリアスでアンタッチャブルな役を務めています」と語っている。第1話での今井の演技は少し芝居がかっていたが、恐らくこれは、屋根裏に棲みついた奇妙な人物としての役作りの結果だと思われる。確かに、「世の中に忘れ去られた者が集う。それが屋根裏だから」などという大げさな台詞を語るには、芝居じみた役柄のほうが似合っている。初回を見る限り、得体の知れないミステリアスさは存分ににじみ出ていたと言えよう。

 その半面、「見つかったら殺される」と言うわりには冷蔵庫の食べ物を盗み、屋根裏でバイオリンを奏でるなど、やりたい放題。思い付きで行動する人物であることを表しているのか、それとも借金取りから逃げてきたという話自体がウソなのか。

 主人公・衣香のバックボーンはまだ十分に描かれていないが、特に名家の出というわけではなさそう。証券会社勤務の誠(勝村政信)に嫁いだことでセレブの仲間入りをし、「鎌倉マダム」として雑誌に取り上げられるまでになったが、夫は家庭を顧みず、思春期の子どもたちもどこか空々しい。友人の杏子(三浦理恵子)にも義母の千鶴子(高畑淳子)もいまひとつ信用できず、彼女たちと会話を交わすたびに衣香は心の中で「こんな女は嫌いだ」とつぶやいてしまう。さらに、夫の年収が2,000万円もあるはずなのに、出会い系のサクラのバイトをしている。不倫に陥る人の典型的なパターンである「恵まれているのに心は満たされない主婦」そのものだ。樹は、衣香の心の穴を埋める存在になり得るのか。また、それと引き換えになにが失われていくのか。

 今回の放送の終盤には、衣香と樹の濃厚なキスシーンも。今井の無精ひげと相まって、「なんか見たくなかった」「キスシーンの過剰な唾液音も汚い」という声も。2人の気持ちが高揚するほどに、物語の薄気味悪さが際立ってくるが、はたして第2話ではどんな展開が待ち受けているのだろうか。

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