そして今井演じる樹は、そんな千鶴子にちょっと逆らって見せた。「旦那が浮気するのは女房にも責任の一端はある」と、昔ながらの理屈を展開する千鶴子に、「そうかな？　浮気する人ってただの遊び人ですよね」と反論する。さらに、自分の未熟さが原因で、かつて運命の相手と別れてしまったことを明かし、樹は「今度出会ったらすべてを捨てても絶対に離しません」と話した。誠は気付いていないが、これは樹が「衣香をあきらめない」と宣言したことにほかならない。これには、勘の鋭い千鶴子も、イケメンでダンスがうまい樹にだけは鈍ってしまうのか、彼が衣香の不倫相手であることには、まだ気付いていないようだ。

　第5話で最も視聴者が盛り上がったのは、どこに住んでいるのかと千鶴子に問われた樹が上を指さして「このすぐ上です」と答えたシーン。なぜか千鶴子はこれをスルー。「今週一番笑った」「ウソまみれなのにそこは正直なんだな」「一回玄関出てからどこから屋根裏に帰るの？　はしごかなんかあるの？」「なんで誰もツッコまない」など、笑いとツッコミでSNS上がにぎわった。深夜に屋根裏でバイオリンを弾いたかと思えば、「すぐ上です」と堂々と答えてしまう樹という人物は、本気で隠れようとしているのだろうか。むしろ、自分から見つかろうとしているように思えてならない。

　また、視聴者が樹に対してずっと抱いている疑問を、衣香が「私には樹くんの考えてることが本当によくわからない」と、代弁してくれた場面も。樹は第４話で明かされた、誠が樹の父親の会社の株価を不正に操作した証拠を着々と集めており、自殺した父親のかたきを討とうと密かに準備を進めている様子だ。

　しかし、一方で「オレたちのことを誰も知らないところで一緒に生きていこう」と、衣香を誘惑する。なぜか目に涙を浮かべ、「子どもたちの将来を見届けたらあなたと生きたい」とすんなり応じる衣香。さらに「樹が屋根裏から見守ってくれているから勇気が出る」など、視聴者の理解を超えたセリフを畳み掛けてくる。結局、衣香の考えていることもよくわからないというオチで第5話は締めくくられた。

　「登場人物がもれなくぶっ飛んでて本当毎回笑う」「ツッコミどころありすぎてハマりそう」と、ツッコミ系ネタドラマとしての評判も上々だ。CM前に「絶対に笑ってはいけない屋根裏スタート！」とのテロップが映し出されるなど、制作側もお笑いドラマとして開き直っている様子が見られることから、ここから終盤にかけてさらなるトンデモ展開が待っているに違いない。