■作品の評価

　夏井いつき先生からの講評は、「賑わいも」という上句を「もっと具体的に！」というもの。「夏座敷」とは、夏らしく風が通り抜けるような、涼し気なしつらいをした座敷を指す季語。賑わいですらも肴にして、酒を飲む夏座敷の気持ち良さを描いた句だが、「賑わい」の具体性に欠けると指摘された。

　夏井先生は、人がざわざわとしている様子を描くなら「さざめき」、水が流れる音ならば「川音」という言葉を提案。また、助詞の使い方について「も」「に」とゆるやかに続けるよりも、「酒の肴ぞ」と、詠嘆の助詞「ぞ」を使って「酒の肴」を強めると京都らしくなるとして、「川音も　酒の肴ぞ　夏座敷」という添削となった。

　さらに、「酒の肴」と言わずとも、「肴」といえば酒を飲むときに食べるものではあるが、あえて「酒の肴」とすることで、酒の印象を強めている。「酒」を避けるならば、「川音も　肴に酌みぬ　夏座敷」「さざめきを　肴に酌みぬ　夏座敷」という別案も示された。

■結果

　査定結果は残念ながら「現状維持」となり、「俳句初段」のままとなってしまった横尾。最近は、Kis-My-Ft2の冠番組『キスマイレージ』（テレビ朝日系）で、全国に7人しか取得していないという超難関資格「1級マグロ解体師」試験に合格するなど、アイドルらしからぬ活躍が目覚ましい。この勢いで、俳句名人段位もぐいぐいと昇格することを期待したい。

＊＊＊『プレバト!!』とは……複数の芸能人・著名人が特定のテーマにそって、俳句や生け花、水彩画などの才能を競う番組。毎週20％に迫る高視聴率を記録している同番組には、Kis-My-Ft2、Sexy Zone、A.B.C-Zなどのジャニーズアイドルも出演しており、多彩な才能を発揮し（または発揮できず）、番組を盛り上げている。

　この番組では評価の基準として、「才能アリ」「凡人」「才能ナシ」と3つのランクが設けられ、その道のプロが作品をジャッジする。また、「才能アリ」の評価を受けた中でも特に優れた成績を残した人は、「特待生」へと“昇格”する。「特待生」はさらに「5級～1級」「名人」そして最高位の「師範」と細かく分けられ、スキルアップを目指している。