<アイドル誌チェック!!>
Hey!Say!JUMP山田涼介の「真紅の音-Think Note-」や「ざわちんの美男子図鑑」などユニークな連載の多い「Myojo」(集英社)。その中にあって、放課後に男子2人がだべっているような雰囲気でファンを癒やしているのが、関ジャニ∞丸山隆平×NEWS加藤シゲアキの「GIRL FRIENDS」です。普段は映画や本、自身が出演しているドラマや映画の裏話などたわいのない話題を繰り広げていますが、2015年7月号では加藤が冒頭から熱い思いをぶちまけています。
加藤が最近よく考えていると話すのが、モノづくりの場での意見の相違。アーティスト自身がやりたいこと、観客が求めること、売れるものといった3つの視点が入り混じるエンターテインメント業界においては、絶対的な正解はないものの、相違を折衷していくことが多いのでしょう。丸山も「優先すべきは、観客動員なのか、自分たちが伝えたいものなのか。そのジレンマは絶対生まれるよね」と、エンタメ界に生きる人間の宿命を嘆いています。
アイドルとしてはもちろん、いまや作家として小説を書き続けている加藤は、その問題をより真摯に考えているようで、「今だったらたとえば壁ドンに便乗した恋愛小説を出せば、読者層がジャニーズファンとピタッとハマって、今までよりスマッシュヒットが出るかもしれない。でも、そんな自分らしくないものをやってまで利益を追求するより、自分らしくやって今までの加藤の本が好きな人に買ってもらえて、それでもなお次の作品が書ければ十分なんじゃないか」と持論を展開。最近では作品にかかわるスタッフが増えたこともあって、周囲の意見ばかりを聞いていると「どんどん丸くなって普通のものができあがっちゃう」そうで、だからこそ自分の納得できる作品にするために、とことん話し合って納得するようにしているのだとか。
そんなストイックな加藤だからこそ、これまで発表した作品は高く評価されています。加藤の作品は、芸能界に生きる人間の苦しみや業に焦点を当てたものが多く、そのリアルな描写から、作家・林真理子には「ジャニーズの人が書いたんじゃなくて、もともとものを書くべき青年が、ジャニーズという世界で冒険をしてる」と称賛されました。
そんな異色の作家・加藤シゲアキはどのようにして生まれたのか。今月号の「Myojo」のロングインタビュー連載「STAND BY ME~いつもそばにいてくれたね~」に登場した加藤は、小説を書き始めた驚きの経緯を語っています。
もともとNEWSというグループの中で居場所を確立できずに苦悩していた加藤。メンバーの手越祐也と増田貴久が「テゴマス」というユニットを作って独自の世界観を作り上げたことを見ていたため、事務所には小山慶一郎とのユニット結成を直談判したこともあったそう。その中で、結局何をやりたいのかと問われた際に、小説を書きたいとポロッと漏らしたところ、約6週間後の締め切りを言い渡されたのだとか。テレビを見ないように布団をかけるなど、自分を追い込んで締め切りまでに書き上げたものの、本人には「間に合わなかった」という思いも。
というのは、加藤が小説を書いている最中に、山下智久と錦戸亮がNEWSから脱退することが決まったのだとか。加藤は「6人のNEWSを守りたくて書いた」といい、自分が小説家という新たなフィールドで得たものをグループに還元することで、NEWSの未来を変えられると信じていたよう。ペンネームを使わずに“NEWSの加藤シゲアキ”として作品を書き上げのも、「(作品の)正当な評価なんかよりも、“NEWSの中に、こんなヤツがいる”って、NEWSに興味を思ってもらうことのほうが大事だから」という思いがあったから。
はじめはそんな思いで書き始めた小説ですが、「週刊SPA!」(扶桑社)や「小説 野生時代」(KADOKAWA)に連載するなど、いまや「アイドル小説家」と揶揄されることのないほどの活躍を見せています。グループのために始めた執筆活動をいまも続ける理由として、「続けることが本当のプロ」「決めたんです。ちゃんと履いてこそ二足のわらじだって。途中で脱がないって」明言し、小説家の覚悟を見せています。だからこそ「GIRL FRIENDS」で熱弁したように、モノづくりの姿勢に敏感になっているのかもしれません。
6月1日には短編集『傘をもたない蟻たちは』(KADOKAWA)が発売、そして来年には処女作『ピンクとグレー』の実写映画が公開となります。最近では、お笑い芸人のピース・又吉直樹の三島賞候補入りが話題となりましたが、いつの日が加藤にも文学賞に絡む日が来るかもしれません。本人が決意した「二足のわらじ」、ファンとしても温かく見守りたいものです。
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匿名 より 2015年6月2日 7:32 AM
理由はどうであれ、ゴーストではないか?と思われるほどのもの書き上げるのはすごいと思います。
しかも、毎年。
処女作「ピンクとグレー」が映画化するらしいですが、主演がジャニーズと言うことで原作とは大きく異なるそうですね。残念です。
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