女装という奇抜な設定に関しては、松岡本人の「(女装したら)鏡の中にオフクロがいた」というクランクイン時のコメントが印象深いが、雑誌のインタビューでは次のように語っている。「今までいろんな役をやらせてもらってますけど、もっとクセのある面白い役をやりたいなと(中略)。30代最後の作品になるし」と、この独特な役柄に対して意欲的な様子。さらに、故・青島幸男主演のドラマ『意地悪ばあさん』(日本テレビ系、1967年~/フジテレビ系、1981年~)を引き合いに出しながら、「今は決まった枠の中で面白いものを作ろうっていう感覚のドラマが多いので、たまにはこれぐらいぶっ飛んだものがあってもいいんじゃないかと思うんですよね」と、ストーリーや設定についてコメント。
三田園のイメージは「動きもちょっと機械的なほうが面白いかなと。表情をつけずに無に近い動き」と説明しているが、これはおそらく『家政婦のミタ』で松嶋菜々子が演じた三田灯に寄せたもので、それが三田園の謎多き役につながっているようだ。女装についてはメイクも自分でできるように習っているそうで、「僕は結髪して衣装をつけて役に入るという時代劇独特の感覚が好きなんですけど、それと似てますね」(以上「TVライフ PremiumVol.19」学研プラス)と、役作りのプロセスを含めて楽しんでいる様子。
毎回派遣された家の問題点を見抜き、真の意味での再生へと導く三田園を描いた本作。ヒューマンドラマとして評価できるのはもちろん、パンチのある松岡の女装や、初回で舛添要一元都知事の退任劇を思わせるストーリー構成など、もはや企画勝ちといえるほどのパワーを秘めている。
“ほぼ全編女装”(オフィシャルHPより)という前置きがあるため、今後男性としての三田園が登場する可能性もあり、展開によっては大幅な視聴率の巻き返しも期待できそうなので、今後も注目していきたい。
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