ジャニーズの悪しき慣例、「勝手に追加公演に当選」は法的に問題ないのか? 弁護士に聞いてみた

2017.2.27

--昨年10月上旬、KinKi Kidsのコンサートに落選したファンに対して、申し込み時に「落選した場合は返金手数料を差し引いた金額の『払出証書を“申込公演日”までにお届け』との記載があったにもかかわらず、コンサートの申込公演日を過ぎても払出証書は届かずに返金が遅れる、といった事例がありました。その後、コンサート事務局から「別のコンサートの開催が決まったので、先に行われたコンサートの落選者を優先案内する。優先案内を希望しない場合は、抽選終了後に返金する」との連絡が。10月下旬の時点で申し込んだ時には「払出証書を“申込公演日”までにお届け」と明記していたのに、予告なく「返金期限を延長」することは法的には問題ないのでしょうか?

山岸 この場合もひとつ目の質問と同じく、「申し込みのあとに決まったコンサートのチケットを買う」という契約が成立していない以上、また、規約にも記載がない以上、直ちにチケット代を返還しなければなりません。

--コンサート事務局では、もともと落選した場合の返金手数料をファンクラブ会員が支払うこととなっています。上記のように、そもそも“契約”として認められない場合に返金を求めても、ファンクラブ会員が返金手数料を支払うべきなのでしょうか?

山岸 コンサート事務局がチケット代を返還しなければならない(コンサート事務局がチケット代を返還するという義務(債務)を負っている)場合、返金手数料などの費用を誰が負担するかについて、民法では「特に、取り決めがない場合、債務者の負担とする(485条)」と規定しています。要するに、規約などに記載がなければ、返金手数料はコンサート事務局が負担しなければならないということです。

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 いずれにしても、このようなトラブルに巻き込まれた場合は「申し込みしていない日程のコンサートに行けない・行かないなら、すぐに返金請求をするのがベストです」と山岸氏は言う。転売はもちろんのこと、貴重なチケットをムダにしないためにも、知識として覚えておきたい。

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