一方広は、思いを寄せている女子高生・桃（清原果耶）に大学生の彼氏がいることを知り、あえなく失恋。自暴自棄になる広を心配し、柏崎家や西原夫妻、木野らが大集合して“家族会議”が開かれる、といったコミカルな展開もあった。さらに、ラストシーンでは木野が肌身離さず持ち歩いていた、亡き親友の形見である“110円”にもある展開が。親友の命日に墓参りを済ませた木野に、広と「汐風園」で暮らす田中今偉（望月歩）が「そうやって（110円を）持ってたら、いつまでも過去に縛られてるって感じしないですか？」などといい、110円を使って缶ジュースを買うように仕向ける。これまで2人を支えてきた木野が、2人に背中を押されて前へ進んだ瞬間であった。

　3人の母、そして「汐風園」の人々が、それぞれ明るい未来へと1歩進んだ最終回。視聴者からは「いろんな話を盛り込みすぎだったかも……」「最後はハッピーエンドでよかったけど、ありきたりに感じた」と厳しい意見もあったが、「登場人物の過去や葛藤などが丁寧に描かれていて、とても見応えがあるドラマだった。役者さんたちの演技もすばらしかった」「ドラマを見てこんなに泣いたのはいつぶりだろう……？」「ハッピーエンドですっきりした！　ツッコミ所もあったけど、全体的にはおもしろかった！」と、好意的な反応も多い。

　道枝の大抜擢や中島の演技力の高さでも、ジャニーズファンから注目を集めていた『母になる』。2人が今後役者として、さらに活躍するきっかけとなることを願いたい。