■作品の評価

　まず千賀の作品について、夏井いつき先生は「この句を読んだときに、わたしもゴッホの絵を想いました」とのことで、連想の広がりを感じ取ったよう。昼間は汚れている煙突が、夜になると銀色に見えて美しいという、詩心・世界観を、率直な言葉にしていると評していた。しかし横尾の指摘どおり、言葉を詰め込みすぎたために起こった中七の字余りは、調べが整わないために注意を受ける。「句またがり」というテクニックを使い、「銀色の廃墟　星月夜の　煙突」と、夏井先生の手直しが加わった。

　次に横尾の作品は、たった1枚の紅葉から「千年」という時間、「樹海」という場所が発想できたことを、「たいしたもんだなとびっくりいたしましたね」と夏井先生から大絶賛される。時間・場所・動きを「の」という助詞でつないだ「千年の樹海の風」というまとまりと、「枯葉の香」という嗅覚情報を「と」でつないだ“型”の表現が見られ、これにも夏井先生は感心していた。それだけでなく、風に吹かれて枯葉が転がる映像が俳句からしっかりと見え、後半に「風」「枯葉」「香」と「か」の音を散りばめることでリズムも生まれている。見事な出来栄えに、夏井先生も終始笑顔で講評していた。

■結果

　まず5位にランクインしたのは千賀。1位獲得への自信を語った直後に5位と発表されたため、「カッコ悪いな、ジャニーズっぽくねえな～」と肩を落としていた。しかし、名画からの発想の広げ方など、千賀らしいセンスを感じる作品ができたことは事実。ぜひ自信を持って、次回こそ“ジャニーズらしい”カッコいい結果を残してほしいものだ。

　そんな千賀を抜き、2位にランクインした横尾は、満足げにガッツポーズ。千賀から「これからも師匠の俳句、しっかり見させていただきます」とゴマをすられると、「しっかり勉強してください」と満面の笑顔を見せていた。ジャニーズを代表する“俳句名人”として、次回は優勝も狙えそう。さらに腕をあげた横尾の活躍に期待したい。

＊＊＊『プレバト!!』とは……複数の芸能人・著名人が特定のテーマにそって、俳句や生け花、水彩画などの才能を競う番組。毎週20％に迫る高視聴率を記録している同番組には、Kis-My-Ft2、Sexy Zone、A.B.C-Zなどのジャニーズアイドルも出演しており、多彩な才能を発揮し（または発揮できず）、番組を盛り上げている。

　この番組では評価の基準として、「才能アリ」「凡人」「才能ナシ」と3つのランクが設けられ、その道のプロが作品をジャッジする。また、「才能アリ」の評価を受けた中でも特に優れた成績を残した人は、「特待生」へと“昇格”する。「特待生」はさらに「5級～1級」「名人」そして最高位の「師範」と細かく分けられ、スキルアップを目指している。