風間演じる坂本が登場したのは、宮沢が新素材「シルクレイ」の開発者である飯山(寺尾聰)と対面を果たすシーン。坂本は第1話で銀行の倉庫に資料として保管されていたシルクレイを発見し、シューズのソールに適しているのではないかと宮沢に教えてくれていた。その後宮沢は特許であるシルクレイの使用許可を得るために飯山と連絡を取ろうとするが、すでに飯山の会社は倒産しており、飯山自身の行方も知れなかった。詳しくは描かれなかったが、最終的に飯山と面会の約束を取り付けたのは坂本であるらしい。どんなツテを使ったのかは不明だが、相変わらず有能である。
めでたく飯山との面会を果たした宮沢は、さっそく「シルクレイをソールに使わせてほしい」と交渉を始めるが、「無理だ」とあっさり断られてしまう。坂本はすかさず特許の使用料を訪ねるも、「年間で5000万」という法外な値段をふっかけられてしまう。
心優しい坂本もこれには思わずヒートアップ。「大変失礼な言い方かもしれませんが、この特許はいまだ実用化されていませんよね。死蔵特許に年間5000万って……」と食い下がるも、飯山にネクタイをつかまれて「値段を決めんのはこのオレだよ」とすごまれてしまう。少々失礼な物言いになっていたので、飯山が怒ってしまうのもわかる。だが、おそらく坂本は心の底から宮沢のシューズ開発を応援しているため、肩入れするあまり協力的でない飯山に対してはキツイ言い方になってしまったのだろう。第1話でも見せた人間らしさや情の深さが垣間見える場面となった。
坂本はこの後、ひるむことなく次善の策を飯山に提案する。「年間5000万円ではなく、製品ごとにロイヤリティーを払う形ではどうか」というのだ。ネクタイを引っ張られた直後に、相手の顔を見据えて穏やかに次の話ができる冷静さは只者ではない。結局この時の交渉は決裂したが、最終的には宮沢の熱意が通じてシルクレイを使わせてもらえることとなり、飯山もシューズ開発プロジェクトにかかわることとなった。またしても坂本のお手柄である。
今の坂本は、どれだけこはぜ屋のシューズ開発をサポートしても自身の業績や出世にまったく結びつかない。だからこそ、彼の必死な態度や熱い心がうそ偽りなくまっすぐなものであることが視聴者にも伝わるし、感動を呼ぶのではないだろうか。風間の演技も引き続き称賛を集めており、「風間くんはこのドラマになくてはならない人物!」「風間俊介の演技がこのドラマの重要な柱」「純粋さに心打たれる! 涙なしじゃ見られない!」といった感想が放送後のネット上に見られた。
ソール素材としてシルクレイが使えるようになり、ケガからの再起を目指すマラソンランナー・茂木(竹内涼真)が試作品のランニングシューズに足を通したことで、ドラマの展開もグッと進んだ。今後も要所要所で坂本が宮沢を助けるという展開になるのかどうか、大いに気になるところだ。
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