当然、こはぜ屋社長の宮沢紘一(役所広司)も「ええ? 大橋に?」と驚いて聞き返す。坂本が言うには、大橋課長は現在の支店に来る前に、本部で繊維関係を担当していたのだという。だが、どう考えてもシューズ開発に反対している大橋が、そのシューズ開発に手を貸してくれるはずがない。結局、坂本の一言をきっかけに「親父が銀行を怒らせたのが悪い」とする宮沢の息子・大地(山崎賢人)と、「せっかく坂本さんが提案してくれたんだから」とたしなめる宮沢が言い争う展開に。坂本も思わず膝立ちになり、「ごめんなさい、ボクが安易なことを言ってしまったばっかりに」に2人をとりなした。第5話で坂本が登場したのは、この居酒屋でのシーンのみ。だが、この一言が伏線となってドラマが展開していく。
その後大橋との融資交渉に臨んだ宮沢は、坂本の助言に従って「(繊維関係の企業に)心当たりがあったら教えてくださいよ」と口走る。その場ではあっさりと流されてしまうが、これは確かな布石となっていた。月末になり、大橋はこはぜ屋の工場を訪ねていた。新素材「シルクレイ」をソールに採用した作業用足袋の新製品「足軽大将」のヒットを受けて、大量の注文を期日通りに納入できる生産能力や体制が本当にこはぜ屋にあるのかどうかをチェックしに来たのだ。そこで彼は、たとえ納入期日を破ることになったとしても、ほんのわずかな不良品も見逃さない品質管理に対する意識の高さを目の当たりにする。同時に、どんなに厳しい状況に置かれても社員が一丸となってものづくりに取り組む姿勢に触れ、大橋はこはぜ屋に対する認識を改めるようになった。
後日、こはぜ屋を訪ねた大橋は、こはぜ屋が希望していたよりもかなり厳しい条件でしか融資できないことについて、「私の力不足です。本当に申し訳ありませんでした」と宮沢に頭を下げた。これまで一貫して宮沢たちを下に見るような言動ばかり繰り返してきた大橋が、初めて真正面から向き合ってくれた瞬間である。続いて、陸王のアッパー素材製造に興味を示したという織物のベンチャー企業を紹介してくれたのだ。「でも、どうして? 陸王開発には反対だったんじゃ?」といぶかる宮沢に、「こはぜ屋さんは将来性のある会社だと、銀行員としてそう判断しました。それだけです」と大橋。帰り際には「新しい陸王、完成したら私買います」と告げて立ち去った。今にも涙をこぼさんばかりの表情で見送る宮沢と専務の富島(志賀廣太郎)。こはぜ屋の地道な努力が、冷徹な銀行員の心を動かした感動的な場面となった。
大橋が最後にこはぜ屋の味方になってくれたのも、もとをただせば坂本が「大橋課長に聞いてみては」とつぶやいたからにほかならない。もしかしたら、数字に基づいた公正な判断を信条とする大橋なら、いずれこはぜ屋を理解するはずとの予感があったのかもしれない。坂本は第5話の“陰の立役者”と言えそうだが、その反面、大橋がこはぜ屋に理解を示すようになった今、ドラマの展開として坂本がこはぜ屋の担当に復帰する必要性が薄れたようにも思える。もしかしたら、こはぜ屋に甘い坂本がずっと担当でいるよりも、ちょっとやそっとのことでは認めてくれない大橋が担当になったおかげでこはぜ屋が奮起したという面もあると言えそうだ。そう考えると、やはり坂本はこの先も外からこはぜ屋に助言をくれるだけの役どころに留まるのか。あるいは、いつかこはぜ屋の担当に復帰して大活躍する日が来るのか。陸王の完成と同じくらい、坂本の去就も気になる。
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