難しい役を多く演じてきた、“俳優”香取慎吾の軌跡

2017.2.4

2)汐見英治役『薔薇のない花屋』
<ドラマ内容>
 花屋『フラワーショップ雫』の店長である英治(香取)は温厚で優しく、困っている人を見るとほっとけないタイプ。昔の彼女の忘れ形見である雫と親子のような生活をし、8年が過ぎようとしていた。そんなある雨の日、傘がなく困っている盲目の女性=白戸美桜(竹内結子)と出会う。次第に心を通わせる2人だったが、美桜のバックには病院院長=安西(三浦友和)がいた。安西は英治に激しい憎しみがあり、盲目を装い英治に近付くよう美桜に命令していたのだった。3人の過去になにがあったのか?

<役どころ>
 「俺はいいんだ」が口癖の『フラワーショップ雫』の店長。出しゃばることを好まず、誰にでも優しい温和な性格だが、幼いころにネグレクトを受けた事があり、自分の中に“冷たく冷酷な人間”がいるのではないかと感じている。そのため棘のある花を自分の負の象徴と考え、花屋にもかかわらず薔薇を置いていない。雫の母親である「彼女」の死後、雫を男手一つで育てている。

<コメント>
 脚本家・野島伸司と香取慎吾のゴールデンコンビにより08年1月に放送されたドラマ。単なる恋愛ドラマではなく、サスペンス要素も含んだ展開に釘付け。子ども役を演じた八木優希の明るく元気な演技が、暗い内容に光をともし、香取との血のつながらない親子愛に涙を誘った。

<似合度チェック(役柄と本人を比べて)>
性格  ★★★
似合度 ★★★

3)近藤勇役『新選組!』
<ドラマ内容>
 多摩の農家出身。武道に目覚め、天然理心流宗家・近藤周助の門をたたく。そこで後の新選組隊士となる試衛館の若者たちと出会い、やがて日本の歴史の表舞台へたつことになる近藤勇(香取)。“誠意とは”を常に心がけ、武士らしくありたいと願って行動する勇は、未来への希望を胸に浪士組を結成し、京都へ旅立つ事を決意。京都では近藤局長体制の新選組を誕生させ、池田屋事件の活躍でその名を轟かせた。しかし時代は明治維新にむけて動きはじめ、新選組はいつしか政府軍に包囲されることに……。

<役どころ>
 新選組局長。多摩の農家、宮川家の出身。農家出身であるが故、人一倍武士でありたいと考え、卑怯なことや道理に合わないことを嫌った。天然理心流を学び、4代目を襲名したものの江戸に留まらず、京都守護職である松平容保が京都の治安維持のために集めた浪士組に入り上洛。そのまま新選組の局長になり長州による政変で活躍、晴れて幕臣となる。

<コメント>
 04年1月から1年間、NHK大河ドラマとして放送、大反響があったこのドラマ。脚本家の三谷幸喜が初の大河ドラマに挑戦。これまでの陰気・残酷という“新選組”のイメージを覆す展開に目が離せない。出演者の多くが登場人物に近い年齢でキャスティングされ、土方や沖田のように美談では残っていない近藤をうまく香取慎吾と結びつけ、大河に新たなファン層を作った。

<似合度チェック(役柄と本人を比べて)>
性格  ★★★★
似合度 ★★★★

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